歯の一生 4
壮年期 40歳 ━ 50歳
一生自分の歯で食べるために
壮年期はこれまでのお口の健康管理の結果が出始める時期です。歯周病や虫歯は生活習慣病です。
老化ではなく、進行した歯周病や虫歯が原因で40~50歳以降、歯を失う率は高くなっています。
歯周病の進行に注意
これまでのお口のケアが十分でなかった人は、自覚症状がなく知らず知らずのうちに進行した歯周病によって、思いがけず歯を失ったり、強い痛みや腫れなどを繰り返すことがあります。
また、近年、歯周病と全身疾患(糖尿病・心疾患など)との関わりが注目されています。
仕事が忙しいからと決して放置せず、一生自分の歯で食べるためにはここが正念場となります。適切な治療とケアで、お口の健康を回復しましょう。
二次虫歯・歯の根の虫歯に注意
歯周病などで歯肉が退縮して歯の根が露出した部分や、歯と補綴物(被せ物)の境目は歯垢(プラーク)が溜まりやすく、虫歯になりやすい箇所です。
このような部位が虫歯になってしまうと、その歯を保存すること自体が大変難しくなります。
歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを適切に用いて、磨き残しがないよう注意しましょう。
歯を抜けたまま放置すると...
1本でも歯が抜けたままで放置していると、周囲の健康な歯や噛み合わせにまで多大な影響を及ぼします。
歯が抜けた後は放置せず、できるだけ早く義歯(入れ歯)やブリッジなどで補う処置を受けましょう。
老年期 60歳 ━
義歯(入れ歯)と残存歯(残った歯)を大切に
1本でも歯が抜けたままで放置していると、周囲の健康な歯や噛み合わせにまで多大な影響を及ぼします。
歯が抜けた後は放置せず、できるだけ早く義歯(入れ歯)やブリッジなどで補う処置を受けましょう。
義歯やブリッジは定期的にチェックしましょう
義歯(入れ歯)を支えている顎堤(あごの骨)の形態は、およそ半年~1年で変化します。
これを放置すると義歯が合わず不安定になり、支えとなっている骨や残存歯に過度な負担がかかります。
これを防ぐためには定期的な調整(リライン)が必要で、当院ではこれを積極的に行うことで、環境の安定化をはかっています。
義歯の清掃・管理法
- 義歯を外した時は、水の中に浸けましょう。乾燥すると歪んで合わなくなります
- 食事後は必ず義歯を外して、歯ブラシで洗うようにしましょう。お口をよくゆすぎ、残っている歯も丁寧に磨いてください
- 寝る前はキッチン用中性洗剤や固形せっけんなどを付けて、歯ブラシ(義歯用歯ブラシ)で洗い、その後、入れ歯洗浄剤に浸けておくと清潔に保つことができます
※部分入れ歯は金属部分を傷める危険性があります。浸けすぎには注意しましょう
残存歯の保存に努めましょう
お口の健康は全身の健康につながります。いつまでも健康で若々しくいるためには、自分の健康な歯を1本でも多く、少しでも長く持たせるようなケアが必要です。
特に欠損部や補綴物に隣接した歯は汚れが溜まりやすく、落としにくいものです。
また、加齢に伴い唾液の分泌量が低下し、お口の中が乾燥しやすく自浄作用も低下して、虫歯になりやすくなります。
ここで、のど飴など頻繁に舐めてしまうと、虫歯の進行に拍車がかかってしまいます。
定期的なメンテナンスで、長期にわたるお口の健康の維持に一緒に取り組みましょう!
効果的なうがいでお口の中を清潔に
普段、何気なく行っている「うがい」。正しいうがいは、実は重要な口腔ケアのひとつなのです。
「ぶくぶく」「くちゅくちゅ」「ぺっ!」と、唇・頬・舌・喉の筋肉を十分使って、効果的なうがいを行うことで、お口の中の粘膜に付着している細菌を取り除くことができます。歯磨きの後には(無歯顎の方も義歯を外して)効果的な、うがいでお口の中を清潔に保ちましょう!
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